=======================2005/2 / 08 (火)

【バナナメール#143 】 屋根のむこうにヒマラヤが見える

目次:
【ごあいさつ】
【幸せの国】
【ネパール王政復古!?】
【言論の自由】
【屋根の向こうにヒマラヤが見える】
【屋上生活】
【チャパティ】
【チャリティ・バザーその後】

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【ごあいさつ】

こんにちわ。 お元気ですか?

ネパールとかかわって、足掛け4年。 旅先2年、滞在2年の合計4年あいだに、私の渡航回数は、20回を超えました。

ネパールを気にしてくださる方々にメールをお送りしています。 いえ、ネパールだけでなく、ベトナムも、アジア各国も、そして、世界がなんだか気になるよしこなのです。

今回も、よろしくおつきあいくださいませ。

【幸せの国】

♪ 神様は、昔、この国に、 幸せのタネをまいたという。

人はなぜにみんな 忘れるのでしょう。 タネの一粒をもらったことを。 ♪

ネパール民謡「レッサンピリリ」の日本語版の歌詞の一節です。 きょう、久しぶりに、阿部ひろ江さんのCD聞いてました。

曲も歌詞も日本的にアレンジされていて、 それが、また、ひろ江さんのゆったりとした、フォーク調の歌い方とマッチしているんですよね。

♪ 手のひらに涙集めたら 谷の風に乗せて飛ばしましょう

風になった涙 行く先には 光のふるさと 祈りの国 ♪

そう、ネパールは祈りの国。 みんな当たり前のように、祈る。 でも、それが日常茶飯事で、少しも宗教らしくない。

最近、私もネパールのことを思ってひそかに祈っています。

【ネパール王政復古!?】

ネパールとの通信が完全に途絶えて、1週間たちました。 電話も、Eメールもずっと不通で、ネパールは、わけ分からん状態です。

現地新聞社のインターネットサイトも、見られることは見られますが、2月2日の記事のままで更新なし。あるいは、「工事中」のサインのままフリーズ。もしくは、サイト消滅。

マオイスト問題と議会の混迷の中で、突然の国封鎖状態です。 時代錯誤の王政復古か? 王様クーデターか?

国際衛星電話だけが連絡の綱、と思いきや、飛行機は飛んでいる。 ならば、snailmail が生きているかも? 航空便を送っておこう。そのうち、お返事がゆっくり届くかな。「無事だよう〜」と。

どうやら、カトマンズ市内は、落ち着いているみたいです。 結婚式もふつうに(にぎやかに)行われているというし、 国際電話やメールで追っかけられないから、らくちん、と思っているネパール人も、たぶん(いや、きっと)いるよ。

いずれにせよ、このところしばらく、全国ストライキ(バンダ)で、外出できない状態だったようです。仕事にならないのは、いつもどおり!?

経済に与える影響は? もう甚大でしょう。といって、ヤケにもならず、たんたんと生活しているのかな、ネパール人は。

【言論の自由】

ネパールのジャーナリストは苦しいだろうと思う。現体制の批判は一切書けないから。これに関しては、6ヶ月間報道の禁止だって。報道の空白は、どう埋めるのか、気になるところです。

ネパール国内のテレビ放送は、先週はほとんどなかったらしい。3年前の王室惨殺事件の時と同じ。ただ、衛星放送は受信できるから、海外ニュースは入る。これは、止めようがない。

3年前の事件のときは、Eメールと国際電話が駆け巡りました。国内メディアを抑えても、ニュースはどんどん入ってきた。今度は、まず、その流れを止めたんですね。う〜む、効果あるんだか、ないんだか。

でね、人の口には、戸をたてられんよ。ま、抑えられるのも、あと1週間が限度かな。それとも、タイムマシンに乗って過去の歴史に戻って、そこでへばりついてる?

2月6日のカトマンズ・ポストはとうとう社説なしで出たそうな。記者が捕まってしまったのか、嫌気がさしたのかは、不明。

しかも、それまでの記事は、すっごく変だったらしい。たとえば、ネパール社会におけるクツシタの重要性をえんえんと論じたのが出た。世の中には、いろんな色のクツシタがあるのに、明けても暮れても同じクツシタばかりはいているとは、これいかに。どうしようもなく匂うだろうが。これは人権侵害ではないだろうか、と。

ははん、ですね。こんな形で、政治批判しているのか。全編これ、アナロジーの世界です。

また、ビジュアルで、ひそかに王様批判をしているのも。ヒンズーの神様のビシュヌ像が、鳩のフンにまみれている写真がトップページに。公害問題か? いや、ネパールでは王様は、ビシュ神の生まれ変わりということになっているので、これまた、ははん。えも、深読みしすぎか。

こんな報道をしてくれるのは、ネパール在住の外国人記者。ネパール国内では言えないことも、外国人が海外のメディアに載せることはできる。それにしても、日本のメディアは、何をしてるのかなあ。もう、ネパールは忘れられたのかしら。フォローアップの記事見つけたら、だれか教えてね。

3年半前の王宮事件と今回のことは、もちろんつながっているのでしょうね。でも、多くのネパールの人は、運命を信じているから、天上で作られたシナリオを受け入れている。ふしぎなくらい、おとなしい。憤りは、どこへ行くんだろう。もちろん、そうでない人もいて、複雑なからみをしているわけだけれど。

現地事情は、行ってみるしかないかな。というわけで、1ヶ月ぐらいあとには、私は予定通りネパール入り。

「今度の旅は、成果あり」とネパール星占いのお告げ。成果(Meaningful Travel)って何だろうね。犬と一緒にぼんやり日光浴するつもりなんだけれど? 

私は、今年になってから、ネパール行きを三度変更して、その都度、旅程を延ばし、フライトの予約をしなおしました。

昨年から、「あなたは、この日にネパールに入ります」と3月のある日を言われていました。まさか、そんなに遅く出発しないわよ、とタカをくくっていたのですが、予定がいろいろ入って変更を重ねて、はっと気がついたら、まさにその日付どおりのフライトスケジュール。

あやしい。旅行社と占いは結託しているんだろうか。それは、ともかく、「お告げ」通りとすれば、私の出発までには、ネパール情勢が好転しているということでしょう。それはそれで喜ばしいことです。Eメール、国際電話が通じないようなところへ、たぶん、行かせてはもらえないだろうから(ほんとうはそのほうが、のんびりできるとおもうけど)。

【屋根の向こうにヒマラヤが見える】 

一年の計は、元旦にあり。 一日の計は、早朝にあり。

あなたが、朝一番にすることはなんですか。

私は、このところ、朝一番にまず、一人で屋上のテラスに上がってみます。 二階建ての家の屋根だから、たいした高さではなくて、周りの屋根を見渡す程度。 近くのマンションからは、見下ろされています。でも、空が広く見えるから、気持ちいいのです。

そして、することは、自分流のお祈り。

私だけの特注・ネパール語の「祈りの文句」をもらったので、ま、やってみるか、という軽いノリです。108回唱えるんだそうです。54個の木の実の数珠をもって、2周すれば、OK。 あっという間に終っちゃいます。

まず東のお日さまに向かって、ありがとう! 早い日の出は、隣の家の大屋根で隠れていることもあるけれど、太陽は世の中の明るさのもと。照らしてくれて、ほんとに、ほんとに感謝です。

それから、南に向かって、海の向こうを思います。ここから海はすぐそば。干潟もあって、そこは野鳥の宝庫です。途中にお寺があり、トトロみたいな大きなクスノキがあります。東南の方向には、幕張のビル郡がシルエットになって浮かび上がっています。夏のあいだ、野球場の花火がよく見えました。

それから、西に向かって、ヒマラヤの国と人々を思います。あの雲のむこうに、目を凝らせば雪山が見えるかもしれない...などと想像しながら。

最後に、北も。こちらは、総合病院に面しています。入院している方々の回復を祈ります。昨夜、激しく救急車のサイレンが鳴っていたりすると、だいじょうぶかな。夜中のうちに亡くなった方もいる方もいるやもしれず、どうぞ安らかに。その向こうに大学のキャンパスが見え、スーパーマーケットがあり、駅がある。

ぐるっと、見渡して、私の朝の2分間祈りは、おしまい。 ご利益? それが、さっそくありました!

そう、それは、神様からの思いがけないプレゼントでした。 ・ ・ ・ ・ よく晴れた朝、ほんとに、ゆ・き・や・まが見えた!

コンタクト入れてないので、ぼんやりなんだけれど、屋根のあいだの、そこだけ見通せる空間に白い台形の塊が見える。けっこう大きいし、近い。突然現れた人口スキー場? 白い建設現場? 

コンタクト入れてきて、もう一度見たら、あれま、富士山ではないですか! 頂上に雲がかかって台形に見えただけ。まもなく、雲が吹き払われて、みごとな全容が浮かび上がりました。東京湾をはさんで、まっすぐの方向に富士山が見えるんですね。屋上に上がらなかったら、知らないままだった。

よく晴れた先週は、3回見えました。でも、すぐ消えてしまいます。朝の一瞬だけ。現れ方は、春先のカトマンズから見える、なつかしいヒマラヤみたいです。

【屋上生活】

ここ、日本のうちの屋上は、なん変哲もない緑の人工芝。誰も使わない白いガーデンチェアが風化しているだけ。お洗濯も、下のベランダに干せばいいので、ここまでわざわざ持ってあがらない。

今は、毎朝来るようになったけれど、それまでは、忘れられた存在の屋上だった。屋上は、ネパールを思い出す場所。ネパールの人々や家族とは、屋上で過ごすことが多かった。

今日は、ヒマラヤがきれいに見えるよ。月がきれいだよ。星が見えるよ。凧が揚がってるよ...どの屋上にも人がいて、そこでさまざまな生活が繰り広げられていたカトマンズ。

屋上でご飯をたべ、片隅で食器をあらい、赤ちゃんも犬も、すぐそばでおしっこをする。子供が三輪車に乗る。歌を歌う。踊る。一家総出でお洗濯をする。お日さまが降り注ぐ屋上は、みんなのくつろぎの場だったのです。

コンクリートの床の上に、その時々、筵やカーペットを広げてすわり、おしゃべりしたり、おやつ食べたり。私は、古い床机がお気に入りの場所でした。よくそこでお茶をいただいてました。

そんなときの私の好きなおやつは、シェルとロティ。米粉のネパールドーナツと、インドのチャパティです。

きょうは、チャパティについて話します。

【チャパティ】

素朴な味のチャパティ。ネパールでは、ロティといいます。小麦を練って、薄く伸ばして鉄板で焼くだけ。パンでもないし、パンケーキでもない。ほんとに、小麦と水以外、な〜んにもはいっていない。塩さえも。むろん、ベーキングパウダーも。

なのに、なんで、こんなにおいしいの? よくできたものは、ぷ〜わと膨れて、中が袋状になります。カレーやシチューにちぎってつけて食べます。香ばしくて、素朴で、ほんとにおいしいい。

時々懐かしくなって作ってみます。コツは、捏ね方とその硬さ。それから、延ばし方と、そのときの温度。あ、それから、粉の種類かな。ネパールでは、全粒粉を使います。延ばしたときのイメージとしては、直径14〜15センチのジャンボ餃子の皮。

焼くときは、周りと真ん中をタイミングよく、バランスよく濡れ布巾で抑えながら、まわします。これがコツ。すると、あら、不思議、ぷわ〜と膨れて焼きあがるの。

なんだ、コツだらけじゃないか。そうなの。ふつうでは、なかなかふくらまん。私も苦労してる。膨張率25%だもんね。つまり、4枚に3枚は、おもしろくない出来。

ためしに、日本人の書いたネパール料理の本を見たら、「ふきんで抑えながら、両面を焼き上げる」だって! いやはや。この人は、自分で焼いたことないんだ、きっと。

ネパールの人たちは、ご飯の代わりに時々家でロティを焼きます。家族が多いから、枚数も半端じゃないよ。40枚も50枚も。お嫁さんが、すいすい、くるくる焼きます。それが、ほとんど全部膨らむのよね。私が代わると、最初のうちはうまくいかないで、笑われたり、だめだめと取り上げられたりしました。職人芸なのです。見ててごらん、そのうち上手になるからと、コツを言葉で伝授してくれないの。

男の人たちが、僕らの方が上手だぞ、と冗談に言けれど、彼らは、実はやったことがないことがないことが判明。へたくそだったので、安心した。彼らは、キッチンでギター鳴らしてみんなで歌を歌いながら、焼きあがるのを待っている。

こんなふうに、みんなの大好きチャパティですか、一枚一枚焼き上げるのは、熟練と根気が要ります。必ずしも、膨らませなくてもいいけど(うちのお手伝いさんは、ふきんで抑えるだけで、一度も膨らませたことなかった。たぶん、しらなかったんだろう)、半分以上ふくらむと、とても楽しい。

そして、最近、私は、誰でもほぼ100%チャパティを膨らませられる方法を発見しました! 最初の強火がとても大事なんですね。そして、火力の維持、しかも、焦げないように。

そこで、鉄板ではなく、1000W のオーブントースターで一気に焼き上げてみました。4分で。面白いように膨れます。ただし、出来上がりは、少しかりっとしすぎかも。でも、とても香ばしくて、膨れたままの形が維持できて、おつまみによろこばれます。

油で揚げても、みごとに膨れますよ。ただ、すぐしぼむけど。 ネパールの街角のお店でよく揚げているのを見たけれど、一度も買ったことがない。どんな油を使っているかわからないから、買い食い禁止、でした。

【チャリティ・バザーその後】

1月22日に根津のDAVIDの事務所で行われたバザーは、盛況のようでした。売上が7万円あったそうで、全額、津波寄付にまわしたそうです。ご協力ありがとうございました。

2月にバナナ主催でバザーどう? と言われたのですが、半戸外は寒いし、すぐに品物集めるの大変なので、4月ごろということにしておきました。連休前の週末あたり、処分したい品物を持って、よろしければお集まりください。バナナパ-ティーをかねて、お祭り気分で、遊びながら儲ける(?)ことを考えています。 目標は、ネパール奨学金かな。

さあ、家の中を整理して、売れ筋商品を集めておいてください。そして、おうちの中をすっきりさせましょう。そうしたら、きっと、「春」が来ます。

では、みなさま、この最後の寒さ乗り越えてくださいね。

よしこ

追伸

今、送信しようとしたら、 ネパールから、Eメールが数通、はらり、はらりと。 みんな、通信開通のお知らせでした。 やった!  現地は、無事で、安全ですとのこと。 ま、予想通りとはいえ、というか、意外に開通早かった。

王様の直接統治で、治安が取り戻せるとよろこんでいる人がいる一方で、 そうでない人もいる。 ま、当分は平穏でしょう。

おさわがせしました。


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Last-modified: 2006-11-21 (火) 00:38:35 (3990d)