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=======================2004/01/27

【バナナメール#127】 空に舞う大鷹 − スワイヤナブナート寺院にて

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年明けたと思ったら、1月もそろそろ終わりかけ。 みなさま、お元気でしょうか。

ネパールからお送りする便りも、あとわずか。 春には私のネパール生活も終わります。 桜の季節には、東京での生活が待っているでしょう。 う〜ん、さびしい。 あ、でも、どこにいても、「今を」「たのしく」生きるのがモットーのよしこさんですから、 何とかなるでしょう。 また、新しいこともやります。

【また来るよ〜】

私がネパールにいた「足跡」や「証拠」は、いたるところに作りました。 手がかり、足がかりも置いてあるので、またいつでも来たくなれば、来ます(きっと)。 (いつも、今いるところが、「ふるさと」です。)

よく訪れるネパールのお宅にずっと忘れたままの私のバナナ色のジャケット。 「どうする?」と帰り際に聞かれるのだけれど、 「また今度」と、わざと持って帰らない。 むこうもたぶん、私の身代わりに置いておくつもり、かな。 だって、いつも聞くだけで現物持ってこないもの。 そのうち、飛行機に乗って取りに来るね。

【わが子犬】

私の「隠し子」ラッキーは、4ヶ月を過ぎ、しつけの次期になりました。 各種予防注射も無事済ませました。 めちゃめちゃ活発で、いたずらっこ。 私の足音が聞こえると、ずっと向こうからもう騒いでる。 尻尾をちぎれるほど振って、まず、だっこしてやらないとおさまらない。 でも、用心しないと、「うれしおしっこ」をかけられるのよね。

食いしん坊さんだけど、ちゃんと「待て」もできるようになりました。 ふつうのおすわりや、ライオンすわり(ここでは、ナマステすわりといいます)をしてると、 ほんと、とってもおりこうさんに見えます(←犬の親ばか)。

大家族に育てられ、毎夜、子供たちをはじめ、誰かのベッドに入れてもらって寝てます。 前からいる犬たちにも、とてもかわいがられています。 それをいいことに、ラッキーは成犬たちにお母さんのように(相手は同じオスだけど)、 じゃれついたり、ソフトに噛みついたりしています。

【思い出散歩】

家の人が、「よし、きょうは、ラッキーつれて、散歩に行こう」と言いました。 私が新しく買った青いお散歩紐と、予防注射のドクターのところでもらったかわいい鈴をつけて、外へ出ました。 とくにお散歩コースではなく、足のむくまま、気の向くまま。 休日(土曜日)の朝は、敬虔なネパール人たちは、よくお寺参りに行きます。 目指すは、どこかのお寺、かな?

レンガを敷いた小道、裏通り、舗装通り、商店街、広場… 町を歩いていて、改めて気がついたのは、 カトマンズは、なんて犬の多い町だ! ということ。 いたるところに、人と犬が一緒にいます。 ごろごろ寝そべっていたり、グループでたむろしたり、 勝手に歩いていたり。 みんな首輪もつけてないし、つながれてもいない。 いたってのんびり、しあわせそうです。 そして、子犬の多いこと! 子犬をかわいがってる子供だらけではないですか、この町は。

もうすぐカトマンズを出ちゃうのか、と思うと、 この散歩は、楽しいけれど、ひとつひとつが思い出作り…。

【街の中をトレッキングする】

バグマティ川の支流に鉄製のつり橋が架かっています。 ラッキーは足がすくんでしまったので、私が抱きかかえて渡りました。 結構ゆれて、ちょっとスリル。遊園地でタダ乗りしてるみたいで、得した気分。 川原を見ると、豚が何頭もいます。ごみあさりをしたり、昼寝をしたり。 お日様ぽかぽか。みんな、とてもきれいなピンク色です。

橋の手すりには、近くで洗った洗濯物が勝手に干されています。 色とりどりのサリーがひらひら。

ついでだから、どんどん歩いちゃおう。 行く手に金色の三角塔がきらきら光っています。 あれは、まさか、山の上の仏教寺院スワイヤナブナート! そんなに遠くまで歩いたの? ここは、初めてネパールに来た時(4年前)に一度、行ったきり。 そのときは、車だったので、裏の坂道の上で降ろしてもらいましたが、 今日は、正面の階段から上らなくてはなりません。 上っても、上っても、まだ階段が続きます。 それだけ、ありがたいお寺らしい。

ラッキーを抱いたり、歩かせたりして、とうとう上まで上りつめました。 途中で私だけ呼び止められて、「ビデシ(外国人)は、入場料を払いなさい」。 え、なんでバレるの? ネパール人と一緒なのに。 でも、せっかくの気持ちいい土曜日にゴネるのもなんだから、おとなしく払いました。 環境保全税ですね、外国人専用の。 気分は、トレッキング。

【空に舞う大鷹】

丘の上から見るカトマンズの町は、最初はかすんでいましたが、 そのうち、きれいに晴れわたりはじめました。青空です。 鐘が鳴り、数人のお坊さんたちの読経の声が聞こえてきました。

丘の中腹に大きな木がたくさんあって、鷹が何羽か飛んでいます。 見ていると、鷹の数が増えていきます。 あれ、あれ、と思うまもなく、たくさんの鷹が空中に輪を描き始めました。 どんどん増えて、申し合わせたように、数百もの鷹が 同じ方向にグライディングするではありませんか。 まるで、大空のスケートリンクを滑っているよう。 背後から聞こえる読経にあわせて、鷹たちの舞いはしばらくつづきました。 やがて、一羽づつ輪からはなれ、しばらくすると、もとの青空にもどっていました。 すてきなショーを見せてもらったみたい。それも「音楽」つきで。 ここでも、得をした気分。

【猿と子供】

ここは、猿のお寺としても知られていて、あちこちにお猿がいます。 猿は、神様の使いです。 ラッキーはめずらしくて、猿と親しくしたいらしいのですが、 いたずらされるとこわいので、私は、ずっとラッキーを抱きかかえていました。 ああ、でもお猿の赤ちゃんのなんて、かわいいこと! すぐ近くまで寄ってくるの。

乞食の子供が食べ物くれ、とすり寄って来ました。 持っていたビスケットの袋を渡したら、だまってその場を去っていきました (実は、ラッキー用に買ったのだけれど)。 他の国に比べて、物乞いの数は少ないネパール。 一人にあげると、われもわれもと来ることは、あまりない。

静かに目の前に立つ物乞いもいます。そんなとき、 あまりドキドキしないで、なるべくさりげなく さっとお金をあげるようにしています。 あれこれ考えても仕方ないから。

【祈り】

ネパールの人たちは、ヒンズー寺院であろうが、仏教寺院であろうが、 お寺を見ると、きちんと心を向けます。お参り、そして、祈り、ですね。 カトマンズは、街角ごとに小さな寺や祠があるのですが、前を通りかかるたびに、 心の中で祈るように、胸と額にさりげなく手が行く人が多いです。 祭礼の日、お誕生日、記念日、うれしい日、悲しい日、いつでも、ネパールの人が、まず訪れるのは、寺院。

帰り道で立ち寄ったヒンズーのお寺にお参りをしている一家を見かけました。 髪をきれいに結った、赤い衣装の二人の若い女性を取り囲むように、家族がいました。 いっしょに結婚式を挙げた姉妹でしょう(祝宴費の節約のため、よくそうします)。 お参りをしているその後ろ姿を見て、人ごとながらつい一緒に祈ってしまうネパール人。 「どうぞ、幸せな生活が送れますように。願わくば、二人ともよいお姑さんに恵まれますように」と言っていました。 そう、ここでは、それが徹底的に大事。ずーっと一緒に住むんだもの。

あとから、ふと、思ったのです。 私が、近いうちにネパールを去る、と言ったから、 お参りを兼ねて、カトマンズで一番高いところにあるお寺に連れて行ってくれたのかもしれない。 なににつけても、ここは祈りの国。 私のような不信人者を居させてくれて、本当にありがとうね。

では、また。 寒さの折、お体お大事に。 近いうちにまた、お目にかかれますことを。 (2月半ば〜3月はじめは、日本です。)

よしこ

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Last-modified: 2006-11-21 (火) 00:38:27 (3990d)