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【バナナメール#120】 ダサイン祭 その2 −食事−

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10日あったダサイン祭は、先週終わりました。官庁、事務所の仕事はようやく再開。でも、学校はまだ休みのまま。 なぜなら、ネパール第二の祭り「ティハール」が、はや来週に迫っているから! まとめて取ります、学校の秋休み 。

秋晴れの日が続きます。食欲の季節でもあります。 ダサイン祭りのあいだ、皆さんご馳走を食べ続けたので、さすがほっそりネパール人も、少々肥ったようです。

【祭りの料理】

祭料理として、ふだんよりたっぷり肉類が出ました。あまりお肉が得意でない私は、断るのに苦労しました。ヒンズ ー教徒は、聖なる牛を食べません。肉料理として出されるのは、おもに鶏と水牛、そして、縁起ものらしい魚。

えっ、水牛も牛じゃないの? ちがうらしいよ。ネパールでは、牛(ガイ)は神様の使いなので、働かないで寝そべ ってる。水牛(バフ)は畑で働いたり、お乳を提供したり、最後は食料になります。魚は、湖や川で採れる大きなフ ナみたいなのがあります。一種類だけらしく、名前はマチャ(魚)です。

【お米】

私は、ネワールの人々の家庭に招かれることが多かったのですが、伝統のネワール料理は、なかなかのもの。すべて 家庭で作るから、長い祭りの間、女性は毎日料理にかかりきり。

もっとも、ふだんと違って、白いご飯は炊かない。「チウラ」という干し飯が出ます。お餅の代わりと思えばいいで しょうか(お米文化なのに、お餅はないのよね)。ただし、堅い! 

ベトナムの「緑の米(コム)」みたいに半生じゃなくて、完全乾燥米。蒸した米を押してひと粒づつぺったんこにし てある。煎る前のあられ、もしくは、料理前のオートミールを想像してください。噛みしめるとおいしいんだけど、 アゴが疲れる。そして、食べたあと、おなかの中でぐぐっと膨れて…。

【お酒】 お酒は、ロキシー。これも、各家庭で手づくりです。ヒエとサトウキビを原料に、3 週間ぐらい発酵させたものを蒸留します。ま、一種の焼酎ですね。よそのお家の仕込みの様子を見てましたけど、泥状の原材料をまぜるような力仕事 は、男の役目。蒸留するときは、お母さんの経験とカンが頼り。音と匂いで蒸留時間を決めるのです。

【おお、親戚】 祭りの期間は、家族親戚を招いたり訪ねたりが順繰りに続きます。私は、全部で8 家庭からご招待が来て、すべてお受けし、ほとんど連日およばれをしている状態でありました。覚えきれない家族親戚の顔、顔、顔。

姻戚関係は、実に細かく複雑。たとえば、同じ「叔父さん」でも、母方の叔父さんと、父方の叔父さんでは呼び名が 違う。兄弟姉妹、その連れあい、子供、あっという間に20人、30 人に膨れ上がります。この関係をいつも仲良く続けていくのが、ネパール生活の中心でしょう。

【伝統を守る】 ダサイン祭といっても特に刺激的なことが起こるわけでなく、ふだんよりたくさん寺院参りをし、家族親戚が顔を合 わせることが大事。お金がかかるのは、各人の着るものの新調と贅沢な食事ですね。子供たちへのお小遣いも少々。 故郷に帰る人は、交通費とお土産代。そして、借金の取立てや支払いを済ませておく。

年度変わりではないのですが(ネパール暦新年は4 月)、雰囲気としてはお正月みたいです。みんなで伝統行事を守りつづけています。

【野菜料理】  およばれつづきのあと、自分の料理生活に戻りました。ネパールの野菜は太陽の恵みを受けて、とてもおいしい。 季節がめぐり、旬の野菜が食べられるしあわせ。

この夏とくにおいしかったのは、ナスとかぼちゃの蔓、そしてニガウリでした。私は、ナスが大好き。大きくてやわ らかい、みごとな加茂ナスは、揚げて田楽味噌をつけて、和風に。かぼちゃの蔓は中華風に炒めると、空心菜をしの ぐおいしさ。やわらかい芽の部分だけをあつめて、茎をむいてそうじするのは結構大変ですが。

日本の戦時中の食糧難のころイモやかぼちゃの蔓を食べてたらしいけど、おいしいところ以外も食べていたのでは?  下のほうの茎のところは固くてまずいよ。間違えてきゅうりの蔓を料理した人がいるけど、これはひどく苦いらし い(知り合いのネパール人のお嬢さん。家族からブーイングを食らいました)。

ニガウリは、ネパール風にピリカラ炒め煮。これは、ご飯のおかずに。

【ネパールふだん食のおいしさ】 ネパールの家庭のふだんの食事は、ご飯と豆スープ、それに、こうした季節の野菜の炒め煮の三点セットです。ダル (豆)・バート(米)・タルカリ(野菜)と言っています。これに、アチャール(漬け物)が少しと、人によっては 、少量の肉。全部お皿に入れて、手でこねて食べます。

一見シンプルな(粗末な)食事に見えますが、なかなかどうして奥が深い。豆の種類も日替わり、野菜もアチャール も日替わりで、バラエティがあります。ネパールスパイスの微妙な使い方は、野菜の味をそっと引き立て、食べるほ どじわっと体と心にしみます。海外に住むネパール人がホームシックにかかったら、この食事がないと、病状は悪化 するでしょうね、きっと。

【すなおな食材】 秋が深まったいま、私がはまっているのは、イスクース。西洋梨みたいな形の青いウリです。上品な味で、炒めても 、煮付けても、スープの実にも、どんな味付けにもなじみます。さくっとしているけれど、すぐ火が通り、煮崩れな い。

きゅうりでもない、ズッキーニでもない、冬瓜でもない、カブでもない、でも、そのどれものいいところを持ってい て、ネパール人が大好きな野菜です。これといって特徴のある味ではなく、匂いもない。それでも、誰がどんなふう に料理してもおいしいというのは、不思議でしょう?

なんて「すなおな」野菜、というのが、私の感想(どんな境遇にあっても素直でやさしいネパール人を象徴する野菜 か!?)。 日本語では、ハヤトウリというらしいけど、誰か知ってる?

【きゅうりアチャール】 きゅうりがおいしくなってきました。まるまるウリみたいに太ったのがここでは良品。切ってそのままおやつ代わり に食べます。フルーツの盛り合わせと一緒に出されることもあり、まるで、りんごの親戚扱い。

料理として出されるときは、アチャール(あえもの・即席漬け)がおいしい。ダサイン祭で、サイコロに切ったきゅ うりを、唸るほど美味なゴマソースであえてあるのに遭遇。簡単だと思ってうちで再現してみたら、あれ? 違う。 なんだろう、何が足りないんだろう? 日本のゴマじゃダメ? すり鉢じゃダメ? ちゃんと分量と材料を聞くべき だった。

塩、ゴマ、唐辛子、レモン、油が基本のはず。もしかして、メティとか、トリとか、ダニアとか、未知のスパイスが 隠し味? 使うゴマの量がハンパじゃないのかな? 

【大根アチャール】 ところで、どなたか、インドラ・シャルマさんの「大根アチャール」のレシピ持っていませんか? いつかうちで料 理持ちよりバナナパーティーをしたとき、みなさん、とても気に入り、とうとうあとで、レシピをファクスで送って もらいましたよね。彼女のレシピと、この謎の「きゅうりアチャール」は、どこが同じでどこが違うか知りたいので すが、不覚にも手元にありません。インドラ・レシピお持ちの方、材料と分量、ぜひ教えてください。

この秋は、じっくりネパール料理の秘密に取り組んでみることにしよう。

といいながら、きのうは、韓国から届いたお土産のマツタケを食べました。う〜ん、やっぱりおいしい!

次回は、「着倒れのダサイン」。

ではね。

よしこ


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Last-modified: 2006-11-21 (火) 00:38:23 (4039d)