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【バナナメール#119】 ダサイン祭 − その1 凧揚げ −

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【幸せの象徴】

ダサインといえば、凧揚げ。青空の中に白い雲が浮かび、凧や風船が舞い、屋根には旗がひらめく。この光景を目にしたら、たぶん、幸せのおすそ分けをもらったような気になるのではないでしょうか。昔に比べると、揚がっている凧の数が減ったといわれているけれど、私には、空いっぱい、じゅうぶんたくさんの数に見えます。

【ネパールの凧】

ネパールの凧は、羽のように軽く、少しの風でも揚がるようになっています。でも、うすい硫酸紙と竹ヒゴでできていて、糸も細く、すぐ破れます。私は、みんなにあげるため、今年は30枚買いました。

小さな子は、凧持って走り回るだけ。まともに揚げるには技術が必要で、コツをつかむまで、ネパールの男の子たちは数年の年月をかけているようです。5歳から11歳ぐらいまでが修行期間かな。私も、昨年は揚がっているのを持たせてもらう程度でしたが、今年は、最初の糸結びから自分でがんばってます。

凧揚げは、見ているのも楽しいし、技術が上達して、うまく上げられるようになるとめちゃめちゃ楽しい。

ちなみに、私の手持ち凧のコレクション(オーストラリア、アメリカ、南アフリカの浜辺用スポーツカイト、インドネシアの鳥凧、日本の連凧)を試してみたけど、どれもネパールそよ風では上がりません。

【神頼み】

「ヘーイ、ボクシー!(風の神よ)」 「ハワイデ!(吹いておくれ)」 こんな掛け声を上げながら、凧を揚げます。凧揚げの上手なお兄さんが、自分でうまく揚げられない小さな子供たちを従えて、気合を入れさせます。

「ヘーイ、ボクシー!(風の神よ)」お兄さんが、凧糸を引きながら、空に向かって大声を出すと、子供たちは、かわいく声をそろえて、「ハワイデ!(吹いておくれ)」。

何度か繰り返していると、「あ、ボクシーがやってきた!」風が、一瞬さーっと舞い上がり、お兄さんは、その風に乗せて凧を空中に放ちます。大きな糸巻きに巻いた糸がくるくる操られます。風に合わせてすばやくリリースしたり、巻き戻したり。リズミカルなダンスのように、あるいは、綱引きをしているように体を動かしながら、同時に糸巻きを絶えず胸元で動かします。

凧揚げは年季がいります。風のつかみ方と動かし方のタイミングを教わるのは、難しい。ひたすら見て、自分でやってみます。神頼みも加えながら。

【屋根と屋上】

凧揚げの場所は、カトマンズ市内ではたいてい家の屋根や屋上。町の家は5,6階建てぐらいあるので、風をキャチしやすい。レンガを積み上げた家が林立し、高さも広さもまちまちのそれぞれの家の屋上や屋根に男の子たちが陣取って凧を揚げています。ひらひら舞う色とりどりの凧を揚げているのは、おもに小学生上級から10代、20代の若者たち。時には、もと少年のお父さんやおじさんたちも混じって。

近くに、遠くに、時々、歓声があがります。凧同士ケンカして片方の凧の糸が切れると、空にどよめきが走ります。「チェーット!!(切れた!!)」 拾った凧は自分のもの。子供たちがひらひら落ちる凧をめがけて、地上を駆けていきます。

ロック音楽をがんがん鳴らしている若者たちの集う屋上もあれば、サリー姿のお母さんもまじえて家族仲良く腰掛けて凧揚げを眺めている屋根もあります。町全体が、静けさと騒音の入り混じった不思議な平和の祭典。みんなが童心に返って幸せを感じるダサイン祭です。

「ほら、特別大きな凧が揚がってるよ」 どれかなーと探すと、それは、夕方の空にふくらみはじめた半月のことでした。

ダサインは、新月の翌日から10日間続きます。

Happy Dashain! (ヴィジャヤ・ダサミコ・スバカーマナ!)

よしこ


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Last-modified: 2006-11-21 (火) 00:38:23 (3985d)