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【バナナメール#118】 ダサイン祭 −幸せの季節−

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お彼岸も過ぎて、秋が来ましたね。 ネパールも、雨季の終わりと乾季の始まりの今が一番いい季節。 一ヶ月ぶりにバナナメールをお送りします。   【時間旅行者】

9月のほとんどは、日本に帰っていました。タイムマシン旅行みたいで、ハッと気がつくと、3 週間の日本滞在はふっ飛んでいて、もとのようにカトマンズのデスクの前に座っている私。あれは、ゆめだったのかな? それともこれが ゆめ?

距離と時間感覚がショートしてます。ドラえもんの「どこでもドア」のように行き来し、距離感もなくなってしまい ました。何千里も自分の足を使って歩かないと、はるばる旅したという気になれない時代なのかも。

そして、頭の記憶のなかの棚が、勝手にシフトしています。とんでもないところの記憶同士がリンクしたり、ワープ したり。飛行機ばかり乗っているとやっぱりアタマが変になるのかな? それとも単に年のせい? 

【祭りの準備】

ネパールはすでに、最大の祭り「ダサイン」に突入しています。これは、お正月に匹敵する、家族・国家挙げての行 事です。ああ、出遅れてしまっている私。そうだ、凧を買いに行かなくちゃ。もうすぐ、店が閉まる。数十個買って おかないと、すぐ足りなくなる。毎日揚げては、破れて、糸が切れて…。財力あっても、売る店がなければお手上げ 。(一個20円〜40円だけど)去年は、使い果たして、もっと揚げたいと子供たちが泣いた。

ネパールの女の人たちは、ダサインのためにサリーを新調する。おお、それもしていない。彼女たちは言うだろうな 、「あなたの旦那さまは新しいサリーを買ってくれないの?」そう、買ってくれないのです! 

それから、支払い! ダサインの前に売ってきて、と預かった品物がある。売れっこないのに。私が全部買い取って あげて売れたことにしよう、と思ったのだけれど、お金を早く届けてあげなきゃ。それこそ、新しいサリーも買えな いではないか。

そして、「お年玉」をこどもにも、大人にもたくさん用意する。適当な紙幣に両替しておかないと。銀行はまだ開い てるかしら? ああ、だめだめ、きっと行列。町の両替屋に走るしかない。

昔の日本の年末に着いてあわてている外国人を想像してください。30年ぐらい前だったら、コンビにもなかったし 、買い物なんか大変だったもの。

【モハンの思い出】

日本を発つ直前、モハン少佐と奥さんのことを思い出していました。彼が、マオイストに襲われて犠牲になったのは 、ダサインの最中でした。夫妻のムデの山荘で事件は起こりました。他に予定が入っていなかったら、もしかしたら 私もそのとき居合わせていたかもしれない。

一昨日、ネパールに戻った夜、モハンの奥さんのクリシュナから電話が入りました。一周忌の集まりに来てほしい、 と。もうあれから一年も経ったのです。何もかも、ほんの昨日の出来事のような気がします。モハンが生きていたら 、私のネパール生活もずいぶん変わっていたかもしれません。多くの人にとって、彼は、希望の星でした。彼を一目 見たら、誰でも絶対好きになる。いろんなアイデアを出してプロジェクトを一緒にやっていこうとしていました。

ネパール国内の紛争は、いったんまとまりかけて、また挫折しましたが、少なくとも、今年のダサインのあいだは、 闘争は行わない、とマオイストは宣言しています。挑発を受けたら別だけれど。

国内紛争での犠牲者の孤児たちも社会問題になっています。モハンとクリシュナの子供たちは10 代後半ですが、まだ教育にお金がかかる。私設奨学金を作ろうかなあ。

【しあわせって何】

乾季に入って降らないはずなのに、昨夜は、多量に雨が降りました。たぶん今年最後の雨でしょう。10 月は、青空に凧が舞う、しあわせの季節。

昨年のダサインのころ、青空を見上げながら思い、そして、バナナメールにも書きました。「ネパール人と生活を共 にすると、皆でなかよく暮らすことがいちばん大切な価値観であることが分かりました」と。

たぶん、私も含めて多くの人がネパールから学んでいるのは、ここのところではないかと思います。お金は大事。で も、もっと大事なものがある。余分な富は、紛争の種。あくせくしないで、のんびり行こう。それを教えてくれるの が、節目節目の祭礼です。人が集まり、家族が集い、しみじみと幸せを味わう。そのためのお金はかかるけど、それ は、あるところからないところへ自然に流れる。

あればあるように、なければないように。みんな、お金がなくても切羽詰っている様子がないのは、どこかで誰かが 助けてくれる、と信じて待っているからじゃないかしら。だから、ネパール人は怠け者なんだ、という声が内外から 聞こえますが、「ゆったり、しあわせ」もいいではないですか。これは、お金で買えないもの。

昨年のダサインは、ネパール民家にお泊りをしていました。今年はどうするかな。お呼びがかかるところへは、どこ でもいくつもり。それ以外は、自宅で静かに執筆していよう。

【野村嘉彦さんのこと】

ついでにもう1人のことを偲ばせてください。まだ、お彼岸の月ですから。

ベトナムとの長いかかわりと経験の深い野村氏が亡くなられて3ヶ月。80 歳を超えるご高齢にもかかわらず、バナナパーティーにはよく顔を見せてくださいました。「おつりの人生」と言って、いつも楽しそうに色々な人同士を紹介 してくださいました。電話でもよくお話をしました。北爆のあいだも北ベトナムにいて、ベトナム人と一緒に防空壕 に入っていたそうです。

長年の商社でのビジネス経験から、とてもバランスの取れた判断をされ、教えられることが多かったです。最後にお 会いしたのは、2年前。ネパールへ引っ越す前のバナナバザーとランチパーティーを私の自宅で開いたときでしょうか 。それから、私の帰国のたびにお会いする約束をしたのですが、雨が降ったり、足元が暗かったりで、結局、延び延 びになったまま逝ってしまわれたのが心残りです。ご冥福をお祈りします。

【ネパール・ティ−ガーデン】

ご参加の方には、すでにお知らせしましたが、第一期一口1,000円50 口募集は、「完売」いたしました。新規募集、および増資につきましては、現地と打ち合わせ中です。参加ご希望の方は、しばらく お待ちください。追ってお知らせします。

では、Happy Dashian! 秋の自然と夜長を大切に。

よしこ


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Last-modified: 2006-11-21 (火) 00:38:23 (3985d)