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【バナナメール#111】ぷち・ぴ〜きゃん in Nepal  (6日目)

6日目 8月16日(土) スワイヤナブナート寺院/日本語学校学生と交流

目次: 【スワイヤナブナート寺院】 【日本語学校はお休み中】 【シャングリラホテル・プールサイド】【サンゲイの家】 【スリヤの運命】【孤児たちを救う妙案?】【もうひとつの妙案】 ============================

【スワイヤナブナート寺院】 カトマンズの主な観光スポットのうち、しんやとさとるがまだ見ていないのは、西の山の寺院スワイヤナブナートだ けになりました。そこで、午前中、二人を運転手さんに頼んで連れて行ってもらいました。

私は、3年前に一度行ったことがあるだけ。遠いので、1週間の滞在では予定に入れない人が多い。

暑くて、疲れて帰ってくるだろうと、おそうめんを用意してまっていました。案の定、お昼をずっと回ったころ、二 人は、日焼けして、汗かいて戻ってきました。山の階段を運動がてら何度も登ってきた様子。食事して少し休んでか ら、シャングリラホテルのプールサイドへ。

【日本語学校はお休み中】

プールサイドでは、日本語学校の学生サンゲイと待ち合わせることになっています。彼は、今、日本で研修中のマン ガラ先生の生徒です。2ヶ月のあいだ、日本語学校はお休みなので、代わりに私が何かすることが期待されているので すが…。教室は閉まっているし、全員とは連絡が取れない。サンゲイは、私に、いつ帰ってきますか、と問い合わせ のメールを何度も送ってきましたので、とりあえず、「帰ってきたよ」と連絡を入れました。すぐ翌日、電話をして きました。

「日本語補習してください。来れる人を集めます」 彼は、まず、マンガラ先生の家のすぐ隣に住んでいる学生S君に連絡をとりました。教室を使うなら、S 君が家から鍵を受け取って開ければいい、とマンガラ先生は言い置いて行ったのでした。

「センセー、Guess what! (びっくりだよ)」 ほどなく、サンゲイが私に電話をしてきました。「S君は、来週アメリカへ行くんだって!」 詳細は、分からないけれど、ま、とうぶん日本語は必要なくなったわけで、S 君は来ない。したがって教室の鍵も手に入らない。他の学生も連絡がつかない、というわけで、とりあえず、サンゲイとだけ、どこかで会うことにしました 。で、決まったのが、彼の家のすぐ近くのシャングリラホテル。私の家にも近い。土曜日は、いつもシャングリラホ テルのプールで一日中、子供に水泳を教えているのだという。学生アルバイトかな、とそのときは思ったのですが。

じゃ、私も学生二人連れていくね、と私は、言って、電話を置きました。

「水泳パンツ持ってきてないよう」というし んやくんたち。必要ならどこかで買っておいで、と私は、その朝、二人を送りだしたのでした。 (蛇足ながら、どこへ旅するときでも、水着はもっているといいものよ)。

【シャングリラホテル・プールサイド】

「おそかったね、ずっーと待ってましたよ」とサンゲイ。 お昼食べたら行くわ、という約束。確かに、お昼食べてからには違いないけれど、二人が戻ってきたのがおそかった ので、ホテルに着いたらすでに3時を回っていた。

デッキチェアーには、女性がいて、「僕のワイフ」です。 「ええっ、サンゲイ、結婚してたの?」 しんやくんとたいして年かわらないはず。結婚して何年目? と聞くと、2年になるという。今、26 歳。ネパールの人は、結婚が早いんだなあ。

奥さんのアニーは、タマン族だという。サンゲイは、シェルパ族。職場結婚だそうだ。親が決めるなら、もちろん同 じ部族同士で結婚させる。「僕たちは、love marriage なんです」。 おお、この言葉、ネパールで聞いたのは、2回目。それほど、「恋愛結婚」は特別なことか。

サンゲイは、学校で美術を教えている。言葉が好きで、スペイン語も習ったし、今は日本語を習い始めた。とにかく 、屈託なく、明るい。しばらくみんなで話をしたあと、彼は、「じゃ、これから家に案内するよ。」アニーをプール サイドに残し、プールの中にいる子供に、「スリヤ! すぐ戻ってくるからね」と声をかけた。水泳指導、ほったら かしにして大丈夫なのかな。

【サンゲイの家】

家は、歩いて10分ほどのところ。場所だけ教えておいたら、いつでも来てもらえるから、ということらしい。こじん まりした一軒家の一階が彼らの住まいだった。二階は、大家。入り口になっているテラスにぶどう棚があった。「も う、シーズンが終わってしまった。」ちいさな枯れた実がへばりついていました。

ベッドルームのある居間に案内された。本棚に英語の本がぎっしりある。ほとんどが、子供向きの本。子供に美術を 教えるだけでなく、英語も教えているのかな? 私好みの本がいっぱいある。引っ張り出して見ていると、ジュース をいれた三つのグラスをもったサンゲイが戻ってきた。「その本は、全部イギリスから取り寄せたものだよ」

以前、子供図書館の話をしたことがあるので、子供相手にいろいろやっているのだなあ、とそのときは思ったのです が。

ジュースを飲み終わって、また、みんなで歩いてシャングリラ・ホテルに戻りました。プールの中にいた子はすでに 服を着て、アニーと一緒にデッキチェアーにいます。8 歳ぐらいのネパール人の男の子。え? 二人の子供? そんなはずないよね。

【スリヤの運命】

サンゲイが水泳を教えていた子は、スリヤ(太陽)という名で、遠くの貧しい村から来た子でした。平日はドリケル の寄宿学校にいて、週末は、サンゲイとアニーの家で面倒を見ているのだそうです。つまり、彼らは週末里親。

子供には、海外スポンサーがついています。イギリスに住んでいるアメリカ人女性とイタリア人男性の夫婦。彼らは 、養子という選択ではなく、里親のもとで子供を養育するという方法を取ったのです。里親の元には、養育費と細か な生活指導が送られてきます。

サンゲイの家の英語の本も、シャングリラホテルでの水泳指導も、すべて、スポンサーの意思に基づくものでした。 日々やることについては、きちっとしたプログラムが組まれていて、サンゲイたちは、それを実施し、スポンサーに 報告します。

その子とスポンサーとの出会い、また、サンゲイとスポンサーとの出会いも偶然ですが、互いに満足して、大きな問 題もなく、互いの信頼のもとにこのプログラムが実施されている様子です。

スリヤ君は素直に育っていて、英語もきちんと話します。スポンサー夫婦は、ときおりネパールを訪れるらしい。養 育費は、そのときに持ってくるか、あるいは、緊急の場合には、海外送金してくるそうです。

スポンサーには、医療費の負担もあります。最近、足の腫れ物を緊急手術する事態になり、結構費用かかったみたい 。いくつかある治療の選択の最終判断は、サンゲイたちにまかされたといいます。 「本当にこの子は、ラッキーだった」とサンゲイ。 「はじめて会ったときは、栄養失調で、お腹がふくれてたわ」とアニーも言います。

【孤児たちを救う妙案か?】

ネパールの子を養子にする人はとても多い。しかし、かわいいから、自分に子供がいないから、といって子供をネパ ールから自分の国に持って帰ってしまっていいのか、というのは、私のかねがねの疑問でした。

欧米人がアジア人の子供を「買って」養子にする。確かに、その子の経済環境はよくなるでしょうが、大きくなって から文化のはざまで必ず悩むことになる。本当の親がいるのに、貧しさゆえに引き裂かれたまま、運命に翻弄される 子供たち。もしかしたら、生きられなかった、あるいは、極貧の中に身を沈めなくてはならなかったのに、救われた のは、もちろん幸いなのですが。

子供を元の文化から引き剥がさないで、みんなで見守り、きちんと育てるという、この方法は、組み合わせがうまく 行けば、とてもよいのではないかと思います。スリヤ君の実の親との関係も継続されていて、実親、スポンサー親、 里親の会合を最近行ったそうです。 「あのときは、感動ものだったよ」とサンゲイは言います。

スポンサーの女性は、イギリスで学校を運営しているそうですが、さすが、その指導ぶりは徹底し ていると、感心しました。

そして、ふと思ったこと。きちんとしたコディネーターがいれば、もしかしたら、いつも気にかかる、あの44 人の悲惨な孤児たちにも救いの道が開けるのでは? それには、44人の海外スポンサーと、44のよきネパール人家庭が必要ですが。

世界的に有名なフォスターペアレントのプログラムに参加している方もいるかも知れませんが、お手紙の交換をした り、学費を少々送るぐらいで、月々5000 円ぐらい払っていませんか。ほとんどが、膨大な事務費に消えているのです。小規模に、こまめに運営すれば、ネパールではそれより安い費用で子供を育てることが出来る。それだけ出せば、 子供を預かって、立派に育ててくれるやさしい家庭はきっとあると思う。

【もうひとつの妙案】

やさしいサンゲイのもとに、私は、もう2人「子供」を送り込むことにしました。 しんやとさとるをにわか日本語教師に仕立てるという、妙案。ふたりは、なかなか自分から話しかけようとしないの で、この際、私抜きで、夕方1、2 時間サンゲイとアニーのところに行かせることにしました。英語、日本語まぜこぜで、試行錯誤をやればいい。お互い工夫して、コミュニケーションするでしょう。

「センセー、明日から、毎日、日本語教えに来てください!」というサンゲイの希望を、半分かなえたことになるか な?

よしこ


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Last-modified: 2006-11-21 (火) 00:38:20 (3990d)