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=======================2005/4/ 19 (火)

【バナナメール#144 】 星に願いを

目次: 【ネパールへの旅】 【新年おめでとう!】 【水かけ祭り】 【屋上のプジャ】 【ネパール人のなり方】 【シェルロティ】 【ビシュマの詩集】 【詩集とTシャツ:注文票】 

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【ネパールへの旅】

久しぶりのバナナメールです! 3月の後半、ネパールに行っていました。めまぐるしくも、成果のあった2週間でした。楽しかったのですが、今も尾を引く、整理のつきかねる体験がいろいろ。

【新年おめでとう!】

ネパール暦では、今年4月14日が新しい年の始まりでした。第一月バイサクという名前の月です。メールや電話やカードが行きかい、新しい年の初めを祝いました。

この日、私は、ネパールの人と一緒に「大晦日」を過ごしました。年の代わりの節目なので、これからの一年を祈願して灯明をともしました。西洋暦の元旦がすっかり当たり前になってしまったけれど、春の花の季節こそが、新しい始まりにふさわしい。スリランカもお正月を迎えています。タイでは、水かけ祭りがあります。

【水かけ祭り】

ネパールでは、春の初めの大騒ぎ「ホリー」というみずかけの日があります。今年は、3月25日でした。インドでは、翌26日。タイでは、4月14日。日にちは、微妙にずれるけれど、いずれも、水を掛け合って遊んで、春の訪れをよろこぶものでしょう。ネパールでは、この日を境に暑くなります。

その朝は、こんな風に始まりました。 「顔洗った?」 なんでそんなこと聞くんだろう、子供じゃあるまいし、と思いながら、「ええ」。 すると、いつもはおとなしいお嫁さんが、いきなり私の顔に赤い色粉を塗りました。な、なんだ? 「ハッピー・ホリー!」と、彼女は、にこにこ。

それからの一日は、すさまじいものでした。水入り風船、水でっぽう、水入りプラスチック爆弾? が炸裂。あちこちから飛んでくるのです。色水も入って、もうめちゃめちゃ。みんな自分のうちのベランダや屋上から、よその人を目指して、投げてきます。

家の人同士も、バケツで、ザバっ。もう、何回もかけられた。子供も、大人も、おもいきり暴れていました。

さわぎが一段落し、ぬれた服のままでは寒いので、私はシャワー浴びて着替えて、ほっとして日光浴していました。すると、家の人がにこにこして近づいてきて、あ、やばいと思ったときは、すでに遅し。 「これがホリーじゃあ!休みはないのだ」と、顔に色粉をぬりたくられました。そして、追い討ちをかけるように、別の人がバケツの水を頭から、ざあっ!親しい人ほど油断がならない。 いやはや、ものすごい襲われかたでした。

これは、一緒になって暴れるのが正しく、楽しい過ごし方だということがはじめてわかりました。やってみると、めちゃめちゃ、楽しいです。街中が、楽しい悲鳴と笑い声に満ちていました。こちらの人は、たわいないことをとても熱心にやります。

その夜は、きれいな満月。

たぶん日本から見ると、変なことばかりですが、だんだんこちらのやり方が「ふつう」に思えてきて、ちょっと困ったことになりそうです。

【屋上のプジャ】

金色のボーダー柄の黒いサリーを身にまとった私は、階段をひたすら上っていました。カトマンズの街中の一軒家は、2,3階建から5階建ぐらいあります。それにしても、この家はとても大きく、階段がいっぱい。屋上までが遠い。絹の裾が足にからみ、サンダルのかかとをひっかけながら、ようやく屋上に出ました。

そこには、8人のブラマン僧侶たちが座っていました。床には、色つきの粉でマンダラの花模様がいくつも描かれ、葉っぱで作ったお皿には、おなじみの祭礼の小道具。色とりどりの花、果物、米、胡麻、焚き木、聖油、木の実、お香、ろうそく。

ブラマンたちは、「経典」を広げて打ち合わせ中。この儀式は、きょう一日で、これをすべて読み上げるのです。普通なら、7日かかるところを、7人で分担して読むのだそう。私のためになぜかそういうアレンジがされていました。

すべて、「星」のせい。ネパール占星学では、私の守護星は木星とされています。私のためにこのプジャ(礼拝)が必要だと星読みが言って、あれよあれよという間に、私を主人公とする長い祈りの儀式が始まっていたのです。

主催者は言いました。このプジャが終ると、あなたは私の「お姉さま」になるのです。え? 狐につままれているうちに、私は、屋上に敷いた鹿の敷物に座らされ、おままごとのような儀式の中にいました。祈りのことばを唱えるブラマンの指示に従って、花や木の実や硬貨をその都度、手にして額の辺りに抱くようにして。

「これをはめてください」、と指にはワラで作った指輪。こりゃ、ほんもののままごとだわ。

まじないと、祈りと、ままごとをあわせたような儀式が続きました。それが終ると、長い、長い読経。「もうあなたは、ここにいなくていいよ。適当に休憩を取って」というわけで、私が階下に下りてお茶を飲んでいる間も、7人の読経は続きます。でも、声も調子もマチマチ。ほんとは、7人が声を揃えて読んだら、素敵なハーモニーのはずなんだけど。なんだか、自習室でてんでばらばらにがなっている生徒たちみたい。

実は、僧侶のうちの4人は、未成年の見習い。日本の青くさい中学生みたい。でも、若い僧侶のほうが、効き目があるんだそうです。後の3人は、「教授」。8人目は、まあ、ディレクターか。この人は、私のためではなく、ついでにこの家の家族のための祈りを捧げるべく招かれていました。私とは関係ない別のパートの受け持ち。

ネパールの儀式は、厳粛というのからは、ちと遠い。全体にややアバウトな感じで進んでいきます。時間だけはやたらかかります。始まりの時間がずれるのは、当たり前だし、儀式につきもののメリハリというものがない。

そうこうしているうちに、昼休みになり、飲み物が配られました。儀式の間は、誰も「食事」はしません。私も、お茶とミルクしか飲めません。くつろいでいるブラーマン僧侶たちが、「いくつだろう」、と私のうわさしているのが聞こえました。親も知らない私の年を、大胆にも聞いてくるのか。聞こえないふりをして無視してよう。そのうち、一人が、「35歳かな」そ、そりゃないでしょ。

主催者の「星読み」は、私の年をバラしました。あ、ルール違反! それだけでなく、「この人の星はね...」と私の星占いの図を描いて、こと細かにみんなに説明するのです。どれどれと、みんなのぞきこんで、口々に、「ああ、これはいい星まわりだ」。ほんまに知ってるのか? 

午後も読経が続行され、最後のほうでは、燃える火の中に、僧侶の祈りのことばとともに胡麻とギーをくべます。9つの星とその伴侶のために(お月様にワイフがいたなんて知らなかった!)。そして、関係者一同の手首に、呪文とともに色糸が巻かれました。オレンジと黄色の糸ブレスレットが私の右手に。そして、私の「弟」の同じ手首にも。私は、「ディディ(お姉さん)」と呼ばれることになったのです。

不思議なご縁ですが、この家にお泊りするのは、今回が初めてでした。家族に会うのも初めて。かわいい二人の子供たちにたちまち気に入られました。私も、9歳の利発な男の子と、5歳の人形みたいな女の子がひと目で好きになり、二人から「フフー(父方の叔母さん)」と呼ばれるのでした。お嫁さんからは、「アマズ(小姑さん)」と呼ばれます。家族全員に自分の役割名称があり、それにしたがって行動するのがネパール。ディディ(姉)は、サス(姑)に次いで強力な力を持つそうです。一番よわい立場が、バオジュ(嫁)ですね。

星の世界では、私の名前は、頭文字Lでなければならず、"Lily"にしましょう、と勝手に決めかけられました。「やだあ、そんな名前」と抵抗すると、では、富の女神「ラクシュミ」では? そ、それもねえ...。じゃ、合わせちゃいましょう。かくて、私は、「リリラクシュミ」となってしまったのです。はあ。そのうちLLブランドのネパリグッズでも作るか。

【ネパール人のなり方】

このあいだから、たびたびネパール占星学のことに触れています。「そうたやすく信じるものか」と逃げれば逃げるほど、星が私を追いかけてきます。どうもやばいです。

祈りの国、神々の国で起こることは、とても現実離れしていたり、常識からはずれるので、「ええい、どうにでもなれ」とまな板の鯉みたいな心境。じたばたしたって、どうせ、「天上」のどこかで決められたプログラムどおりになるんだから、という畏れとあきらめ。

輪廻の世界では、この世をかりそめとし、この姿もどこかへの旅の途中と思うみたいですね。とりたてて急ぐこともないし、人間の求めるつまらない目標にとらわれることもない。ビジネスなんて出来ないです、これでは。進歩なんて、ちゃちいです。そうか、ネパールのゆったりさは、現状維持のための方策なのか。

ああ、だんだんネパール人になっていく、よしこ!?

【シェルロティ】

私の好きなネパールのスナックは、シェルです。シェルロティとも言います。街角で売っている揚げドーナツですが、ほんのりと甘い米粉で出来ています。朝食にも、おやつにもいいです。

プジャのときは、すっかり終るまで食べてはいけなかったので、終ったときにシェルが出されて、とてもうれしかったです。プジャの後の食べ物らしいです。上手に作れる親戚の人を招いてくれていました。

ビシュマの家で泊まったときも、手作りしてくれました。私が好きだと聞いて、わざわざ作ってくれたのです。

【ビシュマの詩集】

先日、ネパールの人と一緒に湘南の海を見ました。はじめて見る海に感動。それを見た私も、こころを動かされました。そして、ビシュマの詩集「海」の持つ意味をしみじみ考えました。私もビシュマの気持ちになって浜辺を歩きながら、海が人に与える力を感じ取ろうとしました。

そうです。長い間の懸案だったネパール詩集「海」が出来あがり、まもなく配本予定です。見本が届きました。改めて読んでみて、ビシュマの詩は、もちろんいいけれど、ビシュマの序言がじつにいいなあ、と思いました。私のあとがきを読んで下さると、私がなぜネパールと深く関係することになったか、謎が解けるかもしれません!?

日本語をネパールで印刷するまでには、かなり骨を折りましたが、苦労のしがいがあったでしょうか。結果をご覧いただくためには、御注文くださいませ。異文化への旅ができる詩集です。 A5版変形。72ページ。定価800円。

また、詩集の発売を記念して、バナナガーデンTシャツも作りました(定価1800円)。 今回のTシャツは、とてもクオリティーが高くて、生地も色も抜群によろしいのです。デザインも変え、バシッと決まってます。詩集と同じロゴマーク。サイズは、フリーサイズ(大きめのM)のみ。色は、5カラー。

詩集とあわせて御注文くださると、2割引です(1440円)。送料も割安となります。 売り上げは、ネパール奨学基金になります。

御注文の方は、このあとの注文票に英語で御記入の上、メール返信ください。

ところで、4月の桜の風に乗ってやってきたうちの赤ちゃんは、陽香(はるか)と名づけられました。元気でかわいいです。

では、ゆく春を惜しみながら楽しみましょうね。

よしこ


【詩集とTシャツ:注文票】 

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1.Bhishma's Poetry "The Sea and Other Poems" (Nepali & Japanese)

How many copies? ( ) X ¥800 = ¥ ( )                   送料 一冊につき \200

2. T shirts each ¥1800 →  ¥1440 (20%off)

How many pieces? Black ( ) Navy ( ) Grey ( ) Olive ( ) White ( )   送料 1枚につき ¥240  (5枚以上は、送料無料)

3.振込先 

郵便振替番号  00100−6−482112            樋口容視子(バナナガーデン)


バナナくらぶ よしこ

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Last-modified: 2006-11-21 (火) 00:38:15 (4039d)